約 2,237,437 件
https://w.atwiki.jp/marcher/pages/175.html
…その病院には妙な噂があった。 何の変哲も無い街はずれの総合病院。かつては地域でも最大の規模を誇っていた。しかし、最近では近隣により大規模な病院も開業し、やや老朽化したその建物の印象もあって、やや寂れた印象を与えるのは否めない。 一応は救急指定となっている為、深夜と言えども急患が運び込まれる事は珍しくなかったが、それも通常はとりたてて他の病院より数が多いというわけでもない。 しかし、その病院には妙な噂があった。いわゆる『不審死』と呼ばれる案件が異常に集中するのだと言う。 原因不明、または不自然な経緯での死亡、事件性が疑われる死亡案件に関しては、搬送時に救急隊員が警察と搬送先となる病院へ報告し、もちろん了解を得た上で搬送を行なう。 ただ、実はそれは別に「救急病院」でなくても良いのだ。…既に「お客さん」が「死体」となっている場合は。 *** *** 「うわあ…」 俺は思わず声を上げた。 「またやっちまった…」 眼の前には、見慣れた「あの」病院の搬入口のランプが、ぽつんと闇の中で光っていた。 俺はこの街で働く救急隊員だ。これで何度目だろう…。現場で遺体を積んでから、病院到着までの記憶が全く無いのだ。通常3人でチームとなる救急隊の、誰にもその間の記憶が無い。 はっと全員が気がついたときには、他にいくらでも近い病院があったはずなのに、いつもの通り「この病院」の前にいる。 呆然としているうちに、これもまたいつもの年配の看護婦長さんが、搬入口から現れる。 「…また、みたいね」 婦長が呆れ顔で言う。 「しかたないわね…。ウチでも、誰かわからないけど“誰かが”あなた達の無線を受けて“受け入れ許可”を出してるみたいだし…」 「…こんな深夜にすみません…。また、です…」 俺たちは婦長に詫びながら遺体を搬入する。 予感はあった。この病院は、悲惨な「ホトケさん」ほど、強く「呼ぶ」のだ。 そして、今日の「ホトケさん」は、俺が今まで経験した中でも悲惨を極めるものだった。 二十歳前後の、若い女性の遺体だった。 だが、その全身には刃物で切り裂かれた無数の傷があり、血まみれの衣服もズタズタに切り刻まれていた。さらには生前か死後かもわからない激しい性的暴行の痕跡の数々…。 そして、麻薬の過剰摂取によると思われる浮腫もみられた。 あきらかに「異常者」か、それに類する者による猟奇的犯行と思われた。 「…あんな遺体を見たら親御さんはショックだろうな…」 そんなことを思いながら、暗い病院の廊下を引き揚げようとする俺たちの前を、中年の夫婦と見える男女が走り抜けていく。 「…親御さんか…」 隊長がつぶやいた。 いたたまれない思いで立ち尽くす俺たちの横を、刑事や、検視か鑑識か…?警察関係者と思われる連中も次々と走り過ぎていく。 「…いくぞ」 隊長が声を掛け、やっと俺たちは長く、暗い廊下を歩き出した。 …その時、俺は「何か」を感じて振り返った。 廊下の奥の暗がりの中、2つの人影が微かに見える。 オレンジ色のパジャマを着た栗色の髪の女と、ピンクのワンピースを着た長い黒髪の女…。 映像がフラッシュバックする。 なにかデジャヴ(既視感)にも似た感覚…。俺はこの光景を何回も見ている…!? 「おい!?どうした?」 隊長に声を掛けられてはっと我にかえる。気付いた時には、既に人影は消え、廊下の先には深い闇が溜まっているだけだった。 *** *** 翌日の夜。西新宿の高層ビル街の中のホテルの一室で、シャワーを浴びる男の姿があった。 年は20代の後半くらいに見える金髪の白人男性だが、その190cmを超えると見える、筋骨隆々たる体躯はただものには見えない。 *** *** シャワールームから出て、裸のまま窓から見下ろす西新宿の夜景を眺める。 最高の気分だ。全身から力が溢れてくるような感覚さえ感じる。 この前の「獲物」は最高の上玉だった。あの瑞々しい肢体、滑らかな肌、そしてあの恐怖と絶望に染まった瞳…。 その身体を犯しながら、ズタズタに切り刻む。いつからか俺はその行為に最高のエクスタシーを感じるようになっていた。 俺の名はクリス・パーカー。俺は米軍兵士としての経験を生かし、傭兵として世界各国の内戦に関わってきた。最初は金の為だった。 しかし、内戦による無法状態となった街や村で、強姦殺人を繰り返し、その異常なまでの「快感」を知った俺は、今度は「快楽殺人者」として、自分の秘めた快楽を追及するために戦場を渡り歩いた。 ベトナム、ミャンマー、コンゴ、アフガン、ソマリア…。 だが、そんな快楽殺人を目的とした戦場ツアーにも疲れた頃、俺は気がついてしまった。 …「獲物」は都会にもいくらでもいるのだと。 …そして俺はこの街を選んだ。 世界でも最も優秀な… しかしどうしようもなく甘ちゃんの警察がいる街。 そして世界で「味見」を繰り返した結果…、俺が一番気に入った、なめらかできめ細かい肌と、小柄で引き締まった肢体を持つ女たちがひしめきあうこの街を。 そして俺は今この街で、高域暴力団平田組の傘下に入り、いわゆる「揉め事」の処理をする仕事で金を得ていた。 やり方は簡単だ。「揉め事」の根本的解決…。「揉め事」の大元となる人間を「排除」すればいいのだ。 表向きは組とは何の関係も無い外国人の俺には、この国の交友・人間関係を重視し、地道な聞き込みを主体とする捜査方法ではなかなかたどり着けない。その事は良くわかっていた。 さらに、俺は「仕事」の他にもたくさんの「獲物」を狩っていた。「仕事」で排除するヤツラはたいてい殺し甲斐のない醜い野郎どもだ。そんな殺しには何のエクスタシーも感じられない。 それなりに「猟奇殺人」の演出はしてやるが、それは単なる「仕事」だ。 同じくらいの頻度で俺好みの獲物たちを狩っては、「連続猟奇殺人事件」として「仕事」の本来の目的をカムフラージュするとともに、自分の嗜好を満足させているのだ。 しかし、先日の「仕事」は違った。「獲物」としても願っても無い「上玉」が「仕事」のターゲットだったのだ。 21歳の女子大生。飛び切りの美人だ。しかもスタイルも申し分ない。これまでの中でも最高級の「獲物」だった。 なんでも友人が麻薬(クスリ)に手を出したのに気付き、その売人と組の周辺を探ろうとしたらしい。人間、慣れないことはしない方がいい。そして友人は選ぶべきだ。 そんな友達などすぐに警察に突き出してやればよかったのだ。だが、彼女はそれをせず、愚かにも組の麻薬密売ルートを自分で探ろうとした。…そしてあの結果だ。 まあ、そのおかげで俺は彼女という極上の「獲物」を味わう事が出来たのだから、彼女の友情と幼い正義感には感謝しなければなるまい。 …だが、数日前にそんな極上の獲物を味わったにもかかわらず…、いや、味わってしまったからこそ、今夜もまた俺の血はたぎっていた。 …今夜も「狩り」に出るか…。 新しいシャツとパンツを身に付け、俺は再び西新宿の街の灯りを見下ろした。 全身の筋肉がパンプアップしたかのように隆起する。“視える”者が見れば、全身から野獣のごときオーラが立ち昇っているのが見えただろう。 ニヤリと思わず笑みがもれる。窓ガラスに映るその笑顔は、大きく口角が切れ上がっているかのように見えた。 *** *** コンコンコン… 突然ノックの音が響く。 この部屋を知っているのは平田組の幹部連中だけだ。しかし、ヤツラが突然この部屋を訪ねてくることなどありえないはずだ…。 ヤツラとの直接の接触は最も避けなければいけない事項の一つだ。 覗き穴から廊下を確認する。 …女? 栗色のショートヘアーに、俺の国では“Ebony Eyes”と呼ぶような、大きな黒目を持った女が、ドアの覗き穴を覗き込むように立っていた。 20歳くらいか…?もっと下かもしれない。幼い顔をした女だ。しかもスリッパを履き、涼しげなサッカー地のオレンジのパジャマを着ている。部屋を間違えたのか? 「…誰だ?」 俺の声を聞いた女はぱっとその顔に笑顔を浮かべて答える。 「クリス・パーカーさんですよね?」 「…誰だオマエは?」 …何故俺の名前を知ってる?組の使いか? 「えっとですね、クリスさん、今日も誰かを殺しに出掛けるところですよね?」 「何だと…!?」 「それを止めにきました!」 …なんだ? この女は何者だ? 「今日も」だと? こいつは何を知ってる? 先日の事も知ってるというのか? それに… …俺の今日のこれからの行動が… 何故わかる? 「…入れ」 とりあえず廊下で余計な事をしゃべられては困る。 俺は扉を開けると周囲を見渡し、他に人影が無いのを確認すると、女の腕をぐっとつかんで力任せに部屋に引き込んだ。 「キャッ!」 女は小さく悲鳴を上げると、よろめくようにして部屋に引き込まれてきた。 「…痛~い…」 女はさして驚く様子も無く、つかまれた腕をさすりながら不満げにつぶやいている。 「オマエ、誰だ? …何を知ってる?」 女は俺の方を見るでもなく、腕をさすりながら答える。 「えっと…。クリスさんがこの前あの可哀そうな女の人を殺しちゃったのは知ってるんですよぉ…」 「んー、…そんで今晩もこれから殺しに行くとこですよね?」 …コイツは何者だ?警察関係者には全く見えない…。頭がおかしいのか?だが言ってる事は妙に的を射ている…。 「オマエ、一人か?」 「んー、それはどーですかねぇ…」 俺はもう一度ドアを開けて廊下を確認する。廊下には人影は無い。…やはりたった一人でここへ来たのか? 「どこから来たんだ?」 「…M病院でぇす」 …知らん名前だ。この近くの病院だろうか?やはりこの女は頭がおかしいのか?話も今ひとつ要領を得ない。 …精神病院からパジャマのまま抜け出してきたとでも言うのだろうか? …ふん。まあどうでもいい。俺は自分の「仕事」を思い出した。「揉め事」「厄介事」は “ 大元から消去”してしまえば良いのだ。 俺は女を見た。白い肌に薔薇色の頬、通った鼻筋に小さく柔らかそうなピンク色の唇。なかなかの美形だ。 だが、俺はためらうことなく右の拳でその側頭部を殴りつけた。 「キャッ!」 小さな悲鳴と共に女が吹っ飛ぶ。 長年鍛え続けた俺の筋力は、今では異常なほどに強化され、最近では「仕事」での殺人にも殆ど得物は必要が無かった。 一撃で俺の拳には、確かに女の頭蓋が折れてひしゃげた感触が伝わった。 さらに仰向けに倒れた女に歩み寄り、頭部に2発目、3発目の打撃を加える。冷たい床に女の頭蓋がゴツゴツと叩きつけられる音が響く。 これでもはや充分のはずだが、俺は今夜の獲物の為に使う予定だったサバイバルナイフを取り出すと、すばやく女の胸に突き立てた。 …ザシュッ…!! いつもの小気味良い音が響き、鮮血が飛び散る。まだ息のある女の体がびくりと反応する。…良い感触だ。 ザシュッ!!ザシュッ!!ザシュッ!! …20回、30回…。細い腕にも、しなやかな脚にも、柔らかな頬にも、黒目の目立つ眼窩にも…。容赦なくナイフの刃を突き立てる。 どれほど刺し続けただろうか…?女のパジャマも既にボロ布のようになる頃、俺はふと手を止めた。 女の肉はいたるところがズタズタに裂け、ぱっくりと口を開けている。左耳などはすでにちぎれ落ちそうになっていた。 くそっ!…俺としたことが…。こんな女を犯しもせずに切り刻んでしまうとは…。 やはり動揺していたのか…?冷静さを失っていたようだ。 俺は立ち上がって、もう一度脚元の床に倒れている女を見下ろす。 女の体はまだひくひくと動いている。息はまだあるようだ。 …まだ遅くは無いか…。こいつの息のあるうちに犯ってやるとしよう。 俺はボロ布のようになったパジャマに手を掛ける。 しかしそこで俺の手は止まった。 …まだ息がある…? そんな馬鹿な…!?最初の拳の一撃で既に致命傷のはずだ。あれだけで即死してもおかしくは無い。しかもこれだけ肉を切り刻んでいるというのに…。 よく見ればパジャマにも鮮血はにじんではいるが、いつもはこんなものではない。床全体が血溜まりになっているはずだった。 …おかしい。何かが狂っている。こいつはなぜまだ生きているんだ? その時、突然部屋に女の声が響く。その声はまるで俺のすぐ横に立っているかの様に明瞭に響いた。 「あーあ。なんかソイツ気がついちゃったよ。そこまでだよ、えり」 振り返ろうとした俺は、いきなり側頭部を凄まじい力で殴られた感触に昏倒した。 激痛が脳に走る。頭蓋が砕かれた感触。全身が痺れて思うように動かない。 …誰だ…!?誰か部屋に隠れていたのか!? 動かない頭を廻らせて室内を確認するが、そこには誰も見当たらない。 しかし、床に倒れ、動けない俺の頭部に、2発目、3発目の強烈な打撃が加えられる。頭蓋が歪み、脳が圧迫される。頭の中が何倍にも膨れ上がったような感触だ。 眼の前が真っ赤に染まり、何も見えない。耳や鼻から何かが流れ出ているようだ。 首から下は鉛のように重く、指一本でさえ思うように動かせない。 なんだ…!?何が起こっている?眼に見えない誰かがこの部屋にいるのか? いきなり俺の胸元がざっくりと裂け、ビシュゥッ!と音を立てて鮮血が吹きだす。 さらに続けざまに、まるで透明人間にメッタ刺しにされるがごとく、俺の全身のいたるところが裂け、血がビチャビチャと音を立てて吹き上がる。 血溜まりに浸かった俺の体は、ビクビクと勝手に痙攣を繰り返した。 血が噴出した分、脳内の圧力が下がったのか、真っ赤だった眼の前が薄れ、えぐられていない片目に戻ってきた俺の視界の隅に、なにか動くものが見える…。 …あの女だ…!? どういう事だ…?あの女が立ち上がって、俺を見下ろしている。その瞳に冷ややかな光を宿して。 しかも、ボロボロになったパジャマから覗く乳房のふくらみにも、すんなりとのびたふとももにも、既に傷は一つも見えない。 …いや…。その女がかすかな笑みを浮かべながら、左腕を俺に見せ付けるように差し出すと、そこにはいまだ醜い傷がパックリと口をあけていた。 しかし…、女がそれを右手で差し示した次の瞬間、俺の左腕の同じ位置からまたしても鮮血が吹き出す。 こいつ…!?俺の付けた傷を俺に返しているとでもいうのか…!? そして、その女の腕の傷は次第にふさがり、ゆっくりと消えていく。 突然、部屋の「壁」だったところから、抜け出してくるようにもう一人の女が現れる。 長い黒髪の、ピンク色の花柄のワンピースを着た女だった。白いショートのカーディガンを羽織り、さっきの女よりもややふくよかな、アラバスター(雪花石膏)のような白い頬を持っていた。 「…もう…。こんなやり方はかんべんしてよね…。えりが死んじゃわないように、治癒で支えるのも楽じゃないんだから!」 2人目の女が口を開く。 「大体…、あの一発目でも、さゆみがうっかりしてたら即死だよ?」 「…へへ。だって“コイツが自分でやった事”が自分に返ってきて、苦しんで死ぬ、って言うテイにしたかったんだもん」 栗毛の女が答える。 「…リスク高すぎだよ…!えり、心臓だって悪いんだから」 「でも、こんなヤツを殺すのに、自分が手を下すのはいやジャン?」 「だけど、えりだって痛いし苦しいでしょ?…あんな目にあったら?」 「大丈夫、えりはドMですから」 「…嘘つき」 やはりそうか…。からくりはわからないが…。こいつらは“おれがやった通りの事”を俺に返している…! だがまだだ…!俺はまだ死んではいないぞ…!このまま死んでたまるか!! こいつらは絶対に許さない!!必ず復活して復讐してやる…! 「でもさ、ほら、“コイツも”あれだけじゃ死なないんだよ?」 「…ほんとだ…まだ息してるね…。コイツもやっぱり…アレ?」 「…うん。ノスフェラトゥ…。“不死者”の一族だね…。まだ“なりかけ”といったところだけど」 「ふーん…。じゃあ見えてるんだ、コイツ」 栗毛の女はニヤリと笑うと、仰向けに倒れて未だ動きが取れないでいる、俺の頭の方へと歩み寄ってくる。 そしてその笑みを浮かべたまま俺を見下ろすと、ボロボロのすだれの様になっているパジャマの布を開き、すでに傷も消えた、なめらかな乳房のふくらみをあらわにする。 「…ちょっと!」 黒髪の女が咎めるような声を上げるが、栗毛の女はかまわずに両手で自分の乳房をすうっ…となで上げてみせる。 そしてゆっくりと、…まるでY字バランスでもするかのように…、右足の膝を自分の胸に抱え込むように持ち上げていく。 ほとんど女の肌を隠す事も出来なくなった布の間から、女のぴんと張り詰めた内腿の筋肉も、股間の淡い翳りさえもがあらわになっていく。 …この女…!俺を挑発しているのか…!? 俺はかろうじて見える眼を必死で見開き、女の肢体を視線で犯そうとする。 くそっ…!犯ってやる!!絶対にメチャクチャに犯して…!もう一度ズタズタに切り裂いて… …ダンッ!! 次の瞬間、激しい音を立てて女の裸足のかかとが俺の頭蓋に叩きつけられ、ひしゃげた頭蓋の中で俺の脳髄が潰れるのが感じられた。 視界が再び真っ赤に染まり…、その後暗転して、俺の意識は途絶えた。 *** *** 「きゃっ!!…なんか飛んだよぅ…」 男の頭部から飛び散った得体の知れない体液が、黒髪の女のミニのワンピースから覗く脚に飛び散り、女が身をすくめる様にして後ずさりする。 「えへへ、ごめ~ん。コイツの悔しい気持ち?…が、一番盛り上がったとこで殺りたかったんだよねー」 「…でも、これで止めさすんだったら、せっかくさっきまで“傷の共有”を使ってたのが意味ないじゃん…」 「 … 」 「結局、直接手を下しちゃってるし…」 「 … 」 「…手じゃないもん!脚だもん…!」 「…屁理屈…!」 そんな会話をしていた2人だったが、黒髪の女がふと真顔に戻る。 「…でも、これでもまだコイツは完全には死んでないんだよね…」 女が見下ろす下で、男の身体はまだひくひくと痙攣を繰り返している。 「…ほっといたら、その内息を吹き返すよ」 「後はあたしがやる…」 黒髪の女はそういうと、男の方へと歩み寄る。 「…そうとう“溜め込んでる”…?」 栗毛の女は半裸の姿のまま、横のソファに膝を抱えて座る。 「…そうだね。やりがいがありそう…」 黒髪の女は男の傍に立つと、両手を軽く左右に広げ、自分と倒れている男の周囲に、円筒状のピンク色の結界を発生させる。 光を纏ったベールのようなそれは、シュウ…シュウ…と音を立て、脚元から立ち昇るように見えた。 女の眼に強い光が宿る。光の結界が渦を巻くように、立ち昇るスピードを上げた。 ヒュン…! ヒュン…! と、回転音のようなかすかな音が響き始めると、倒れている男の胸部からゆっくりと「光」が現われてくる。 それはバレーボールくらいの大きさの光球となって、男の胸から浮き出してきた。 白く、美しく発光しているが、その周りには黒い煙のような邪悪な「瘴気」がまとわりついているのが見える。 女は宙に浮かぶ光球に手をかざし、注意深く瘴気を祓っていった。 瘴気を祓われた光球は光を増したように見える。そして女がかざした手をせばめていくと、光球は凝縮されるように小さくなり、さらにその光を強めていく。 そして女はその光球をゆっくりと自分の胸へと引き寄せると… 体内へと埋め込む様に取り込んだ。 一瞬、女の身体全体が光り輝いたように見えたかと思うと、あっというまに結界も光も消えさり、薄暗いホテルの部屋には、俯いて立ち尽くす女と、血溜まりに沈む男の屍だけが残されていた。 「…どうだった?」 ソファにぺたんと座り、一部始終を眺めていた栗毛の女が訊く。 「…うん。だいぶ抱え込んでいたね…。“プラーナ(生命エネルギー)”を」 「じゃあ、あのおじさんのは採らなくても大丈夫?」 栗毛の女の顔にパッと笑顔が広がる。 「…これなら“おつり”が出るくらいだよ」 黒髪の女はにやりと笑って答える。 「良かった…!」 栗毛の女はソファから降りながら安心したようにつぶやいた。 「…ねえ…!コイツ…!?」 倒れている男に近づいた栗毛の女が驚いた声を上げる。倒れている男の屍はさっきまでの筋骨隆々たる巨漢ではなく、まるでミイラのような老人の姿となっていた。 「100数十歳といったところだね…。まだまだ“不死者”としては“新米”だけどね…」 「…何百年も生きたヤツだと、“プラーナ”を奪われたとたんに組織の結合が崩れて、灰みたいになって消えちゃうヤツもいるからね」 「ふ、ふ~ん…」 栗毛の女は恐る恐る…といった感じで男の死体を覗き込む。 「でも、“不死者”としては最悪の部類だね…。“セックスをしながら相手を殺す”事で相手の“プラーナ”を奪うタイプだよ…」 「…うげ。ひょっとして、あたしもヤバかった?」 「そだねー。まあ犯られかけたらあたしが止めてたけど」 「まあ“食屍鬼(グール)”よりはちょっとマシってとこかな…」 「…またそういう事言うと、じゅん子が怒るよ…」 「…ふふ。まあじゅんじゅんはポリシーあるみたいだからね…。食いしん坊さんだけど」 黒髪の女は楽しそうに笑った 黒髪の女から借りた白いカーディガンを羽織りながら、栗毛の女が訊く。 「…ねえ、さゆは“不死者”にはならないの…?」 「なる…事は出来るよ。…そういう一族だから」 「でも、ならないんだ?」 「いつも“治癒”の為に全部放出しちゃうからね…」 「…それになりたくもないし。友達や家族がみんな死んじゃってから一人だけ生きてるのもいやジャン?」 「…ふーん、そっかー。…そだねー」 「さゆみは“極度に可愛いおばあちゃん”になるのが最終目標だからね!」 「…でたよ…」 *** *** 2人がホテルの部屋を出ると、廊下には鋭い眼を持った女がぺたんとカーペットに座っていた。 その仕草や、大きな瞳で上目遣いに見上げる眼差しは、どこか“野良猫”を思わせる。 「…無事終わったと?」 女は部屋を出てきた二人に問いかける。 「うん。れいな、ありがと」 「またいつでも言ってくれていいっちゃよ。…さゆはこの前れなの“腕”をつけてくれたけんね」 女は、しなやかな動作で立ち上がりながら機嫌よく答える。 「…こはるは今回で最後にしてくれませんか…?」 もう一人、壁に寄りかかっていた女が、廊下の暗がりの中からゆっくりと現われる。 すんなりと伸びた手足に長い茶色の髪、白い細面は闇に浮き上がるように見えた。 しかしその三白眼になってしまいそうな大きな眼には、やや不機嫌そうな光が宿っている。 「ごめんねーこはるちゃん、付き合せて。…でも、今回はあのおじさんへの報告まで、お願い」 黒髪の女が拝むように手を合わせる。 「…いいですよ。今回は最後まで付き合います…。でも、これっきりにして下さいね。最近、こはる忙しくなってきたんで」 女は少し投げやりにいうと、会釈をしてホテルの薄暗い廊下を歩み去っていく。 「…こはるはクールっちゃねー」 床に座っていた女が小さくつぶやく。 黒髪の女は小さくため息をついた。 「…じゃ、れなもいくけん」 「あれ…?れいなはこれからどこに行くの?」 栗毛の女が訊く。 「じゅんじゅんとりんりんも今晩なんかしよるけん…。まあ大丈夫っちゃろうけど、一応手伝いにね」 「ふーん…」 じゃあ、と女が闇に消える猫のように足音もなく歩み去ると、残された二人の女は顔を見合わせた。 「じゅんじゅんとりんりん…?」 栗毛の女がつぶやく。 「…なんか不安だね…」 黒髪の女は先程の女が歩み去った廊下をじっと見つめていた。 next 『闇に棲む者』 part-2
https://w.atwiki.jp/daihonyasan_hosiika/pages/63.html
#blognavi 若菜が大好きな作家さんの一人 小さい頃に実家にたくさんあったので 単純に読んでいたものですが 中学のころにどんどんはまっていきましたね 最近は新装版になっているものがおおく発売されていて かわいくなっています んで、たまたまブックオフにいったんで 久しぶりに買おうと思って棚から取り出して めくってみると 「星新一、一生涯で1001篇の作品を描き~」 !?1001篇!? 若菜、二つの意味でくらーっときた 結構読み倒してきたと思った星様の作品だが たぶんまだ300には達してない 星様は短編の多さが有名だが 素敵な長編もたくさんあって、 それを生涯で1001篇も残されるなんて なんてすごい作家さんなんだろう、と 1001篇か・・・ がんばろう。 若菜は生涯で1002篇書くことを目標に生きていこう 後、992編だ! カテゴリ [日記] - trackback- 2006年11月08日 08 36 52 #blognavi
https://w.atwiki.jp/city_blues/pages/45.html
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 平和と引き換えに、毒気と混沌、悪徳に哀しみ、そして、自由を失った街。男が 新宿 に抱いたイメージはそれであった。 身体全体から光が差しているのでは、と思わずにはいられない程の、美の化身だった。 黒いロングコートに、黒いシャツ、黒いスラックス。上から下まで、それこそ靴に至るまで黒一色。 着る人物が間違えば気障か、或いは不審者と言う評価は免れない黒尽くめと言うファッションを、男は、千年付き合った自らの半身の如くに着こなしている。 黒と言う色は、この男に纏われる為に神が生み出したのでは、余人はそう思うだろう。神が鑿を持ち、自らその顔を彫り上げたとしか思えない美男子――秋せつらの為に。 「変われば変わるものだな、この街も」 感慨深そうな声で、せつらが零した。 何処だって良い。ただぼうっと立ち上がり、その場にたそがれるだけで、ラファエロやボッティチェリの絵画のデザインや構図を超える程の美を演出出来る男よ。 その言葉にはその感情の他に、幾許かの寂しさと言う感情も掬い取る事が出来た。 魔界都市“新宿” と言う場所を身体全体で表現しているとすら言われた秋せつらには、よく解るのだ。 この街は 新宿 であって 新宿 でない。この街にはせつらの知る 新宿 が、魔界都市と言われていたその所以が全て失われているのだ。 この 新宿 には――当たり前のように設置されていた、麻薬の自動販売機が一つもない。 この 新宿 には――野良猫や野良犬のような感覚で街の裏路地や広場、一般道路にすら跳梁していた妖物が何処にも見られない。 この 新宿 には――たったの数千円で、身体をサイボーグ化させる手術を請け負うヤミでモグリの外科医が一人も存在しない。 この 新宿 には――戸山町を住処にしていた吸血鬼達はもとより、高田馬場を根城にしていた魔法使い達が影も形も見当たらない。 この 新宿 には――バズーカ砲や、米軍や自衛隊の御下がりの武装ヘリや戦車は愚か、拳銃ですら流通していない。 この 新宿 には――――――――――平和と、けち臭い悪徳の匂いが微かに存在するだけであった。 それで、良いのかも知れない。これで、良かったのかもしれない。 せつらの懐かしむ 新宿 とは、耐え切れない位に命の軽い街だった。命の値段など羽毛より軽い街だった。 人も、妖物も、ミュータントも、何もかも。命を奪われる者も奪う者も、全てに命の価値がなく、それ故に平等であった街。それが、 魔界都市”新宿” 。 そんな街が正常で、当たり前だったとは思わない。この 新宿 が並行世界の一つであると言うのなら――この未来が当たり前の未来だったのかも知れない。 魔震(デビルクエイク) の無残な爪痕から見事立ち上がり、此処まで復興して見せたこの世界の 新宿 の方が、寧ろ立派なものであろう。 しかし……この街もまた、 新宿 たる所以をしっかりと世界に刻み込んだ街である事は、せつらにも否めない。 その証拠が、せつらの目の前に広がっている、巨人がその手で大地を抉り取ったような深い亀裂であった。 この亀裂は、せつらのいた 新宿 ではそのまま 亀裂 と呼ばれていた。 198X年9月13日金曜日午前3時、東京都新宿区『だけ』を襲撃した直下型大地震、通称 魔震(デビルクエイク) 。 その大地震によって刻まれた爪痕こそが、 亀裂 であった。それは、新宿区と区外地を隔てる境界線。 幅二十m、深さ五十数㎞にも達する大空洞。文字通り地の底にまで続いていても不思議ではないこの亀裂は、嘗ての 新宿 住民達にすら不吉の代名詞として扱われていた。 不吉で不気味な扱いの際たる原因が、亀裂の形だ。なんと、外縁区との境界線を寸分の狂いもなく正確になぞって亀裂は走っているのだ。 これこそが、 魔震 と呼ばれる所以。新宿区だけを狙い、隣接区には一切の微震すら感知させなかった魔の現象。それが確かに起こった証が、せつらの目の前に広がっているのだ。 この亀裂がある以上、この街は決して普通の街ではない。 見た所倒壊した建物やその瓦礫の撤去も、地面に刻まれた大小の亀裂―― 亀裂 以外の――修復も全て終わり、 魔震 前よりも新宿区は栄えていた。 魔界都市とは似ても似つかぬ平和な街。しかし、せつらには解る。例え平和で、温い街になっても尚、此処は 新宿 たる力を秘めた都市である事に。 でなければ、秋せつらが―― 魔界都市“新宿” の具現たる男が、サーヴァントとして呼ばれる筈がないのだ。 いやそもそも、この街が平穏な都市であるのならば、聖杯戦争なる奇妙な催しが、行われる筈がないのだ。 「結局、僕が足を運ぶ新宿は、 新宿 にしかならないと言う事か……」 区外の常識を超えた犯罪者がいなくても。武器が流通していなくても。魔術や呪術が伝わっていなくても。吸血鬼やグール、妖怪などがいなくても。 新宿 はその独特の魔力を、有している、と言う事なのだろう。であればその魔力に、光源に引かれる蛾の如く、秋せつらが呼び寄せられるのも、必然の事か。 「僕を特別扱いする事もないだろうに」 亀裂 の先に広がる中野区の街並みを見ながら、せつらは恨めし気に愚痴を零す。 大人しく英霊の座に眠らせてくれればよいものを、態々せつらを指名して呼び寄せるとは、余程この都市は秋せつらと言う『黒』を望んでいるようである。 傍迷惑な話だ。せつらは聖杯にかける望みなど、何もないと言うのに。受肉して、この平和な街でせんべいでも焼いて過ごすか? 実際せつらは、その程度の願いしか抱いていない。 ――では、せつらのマスター(依頼主)は、どうなのか? マスターは、聖杯を焦がれる程に欲している。 下卑た物欲とも違う、もっと切実で、痛切な思いから聖杯を欲している事は、せつらにも解る。決して悪い人物ではない。 それは確かだが、聖杯と言う得体の知れないものに対して、些かひた向き過ぎる。 何か裏があると説明しても、「それでも良い。自分はそれでも聖杯が欲しい」の一点張り。 結局せつらは折れた。せんべいを焼く為に 新宿 に呼び出されたのならばともかく、よりにもよって副業の人探し(マン・サーチャー)の為に呼び出されたと来た。 愚痴の一つや二つ、零したくもなるだろう。 新宿 を舞台にして現れる、奇跡の杯。聖者の中の聖者の血を受け止めた、黄金の杯。 この街の住民の血と命を犠牲に顕現する聖杯に、果たして奇跡などありや? ああ、知っているのか、せつらの主よ。 この街が嘗て、『希望を抱いてこの街に来る者はいない、この街を出る者は皆哀しみを抱くだけだ』と言われた程の、地獄の都である事を。 「それでもあのマスターは――」 求めるのだろう。いや、求めたのだ。せつらはマスターに対してその事を語ったのだ。それでもなお、マスターは聖杯を欲した。 となればせつらは、 新宿 で最も優れた人探し屋として、その辣腕を振るわねばならない。 道に落した財布から、はぐれてしまった子犬や子猫、ヤクザに監禁された人物や、吸血鬼に攫われた女性だって、依頼されれば探し当てて、依頼人に返還せねばならないのが秋せつらである。 今回の目標はあの聖杯と来た。アーサー王伝説などの騎士物語や、キリスト教の宗教史に頻繁に名が出てくる程のメジャーなアイテム。 しかし、神秘の根差した世界では、皮肉にもメジャーなアイテムこそ、その発見及び到達が困難なのは常識も常識。聖杯などその代表格。 そんな物を、英霊の座から呼び出され、人探しのブランクが空いたせつらに探させるとは……怒りを通り越して、最早呆れの念しか湧いてこない。マスターに、ではなく、 新宿 に、だ。 「改めて見ると、本当にロクな街じゃないな。此処は」 今更になって、 新宿 と言う街を実感するせつら。区外の人間であれば数分と掛からず理解出来る真理を、漸くせつらは理解出来た気がした。 この世界の 新宿 の把握は、これで終わり。西新宿の五丁目――奇しくも生前せつらがせんべい屋を営んでいた場所と同じ所――に待たせたマスターの下へと、戻らねばならない。 亀裂 に背を向け、せつらは元来た道を辿って戻り始めた。 老若男女問わない、ありとあらゆる人物が、せつらに対して熱っぽい目線を投げ掛けていた。せつら程の美貌の持ち主となれば、性別の垣根を容易く超越し、人を魅了させてしまう。 これもまた、 亀裂 と同じで、元居た魔界都市ではよく見られた光景なのであった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ その建造物がいつから 新宿 に存在したのか、知っている者は存在しなかった。 気付いたら、其処に建てられていた。いや、その言い方は正確とは言えなかった。本来建てられていた建物が、別の建物に変異していた、と言うべきなのだろう。 其処は嘗て、K大学の大学病院であり、医学部の学棟だった……筈なのだ。 区内の、特にその病院が存在している信濃町の住民ならば、誰もが知っている程の有名な建物。それが、ある日を境に、全く別の建物に変貌していた。 建物自体は、以前と変わらない。その白亜の大伽藍、来るもの拒まずと言った佇まいで、病める者の為にその病院は今も門戸を開いている。 違うのは、名前だ。K義塾大学病院から、『メフィスト病院』なる名前に変わっていたのは、果たしていつの頃の事だろうか。 メフィスト。ゲーテのファウストと言う作品に出てくる、老博士を誘惑して来た悪魔の名前を冠するこの病院。 誰もが異分子だと気付いていた。誰かが異議を唱えるだろうと、皆が思っていた。 ――しかし、現実問題としてその病院は、信濃町に存在していた。行政的な手続きを経ずに、確かに、だ。 だが、区民も、行政も、この病院の存在を認め、 新宿 の新たなる施設の一員と、このメフィスト病院を認めていた。 区内に姿を見せてから、一ヶ月と経っていないにも関わらず、だ。 何故か。 一つは、この病院の医療技術が、ありとあらゆる病気や怪我を治すから。 死亡していないのであれば、どんな怪我でも。それこそ心臓を外部に抉りだされようとも、大脳が粉々に損傷していようとも。 元の状態に、一切の後遺症も残す事なくその病院は怪我人を完治させる事が出来るのだ。 死亡していないのであれば、如何なる病気も。それこそ水虫から全ての風邪、エボラ出血熱から新種の結核、そして、癌に至るまでも。 あらゆる病原菌を根絶させる事が出来るのだ。 不治の心臓病にかかった一人娘をタダに等しい医療費でその病気を完治させた時、少女の両親が涙を流して喜んだ。 癌にかかった最愛の妻を、手術を含めてたった一日で全ての主要を取り除き、二度と再発の恐れがないと夫に述べた時、彼は神の存在を確かに信じた。 歌舞伎町でイザコザに巻き込まれ、ドスで内臓をズタズタにされたヤクザが、その内臓を完璧に治したばかりか、生来患っていた弱視すらもおまけで治された時、彼はヤクザの道から足を洗い、真っ当に生きると主治医に誓った。 其処は、区外の病院で匙を投げられた患者が、救いを求めて最後に頼る蜘蛛の糸だった。 だがその糸は、芥川龍之介のあの作品の中に出てくるような、細く頼りのない糸ではなかった。 ワイヤーを何百、何千、何万条も束ねて作った、信頼の出来る、切れる事のない糸。それは最早、糸ではなく、綱だった。 そして、この病院があらゆる人間にその存在と、医療行為を行う事を認可されているのは、もう一つあった。 この病院を運営する、神の御業のような医療の腕前を持った、男が原因だ。 その男は―― 神が惚れ―― 世界から色を奪い―― 月すらが嫉妬する程に―― ――――――――――――――――美しかった ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 我が白髪の三千丈 心の丈は一万尺 因果宿業の六道も 百の輪廻もまたにかけ 愛し愛しと花踏みしだき おつる覚悟の畜生道 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 花の精が歌を歌っているかのような美しい声が、陰鬱なコンクリートの部屋には不釣り合いだった。 薄暗い部屋で、色のヤケた古い本を読んでいる女性は、そんな歌を思わず口にしていた。 悲壮な愛の詩だと彼女は思った。そしてその詩と自分を、重ね合せていた。 蛇に騙されてしまった事は、百も承知だった。初めから解っていた。 しかしそれでも彼女は、嘗て焦がれた愛する男を求めるのだ。我が身を犠牲に世界を救った少年の事を。 決して触れてはならない感情の嵐を繋ぎ止める人柱になった少年を、解放させてやりたいのだ。 その為に、人を犠牲にしてしまう事は、最早避けられない事だった。決して、決して。 何十人もの人間の命と引き換えに、絶対の奇跡を引き起こす。そんな事は、姉も弟も、許さない事は、痛い程理解している。 だがそれでも――利用されると解っていても、彼女はその奇跡を求めた。 それこそ……畜生道にでも。いや、地獄道に落ちる覚悟で、彼女は聖杯戦争を引き起こした。 たった一人の少年の復活と引きかえに、多くの人間を争わせ、その命を聖杯に捧げる儀式を。 「……我が白髪の三千丈、心の丈は一万尺」 再び、コンクリートの狭い部屋に、澄んだ歌の音が響き渡る。 その様子を、無感情に眺める紅色の瞳の少年に、彼女は、果たして気付いたかどうか。 時系列順 Next 葛葉ライドウ&セイバー 投下順 Next 葛葉ライドウ&セイバー
https://w.atwiki.jp/gangstalker/pages/30.html
50:Classical名無しさん:10/02/08 05 48 ID niY/lImA 中曽根竹下政権時代の自民党が始めたマスコミの盗聴盗撮や公務員、企業を使った集団ストーカー キヤノンの子会社でのトラブルが原因 のちに創価も加担 イトーヨーカ堂や東急や三越など店に行くと店員がつきまとい嫌がらせをしてくる 13 :日本最大級の集団ストーカー:2007/12/06(木) 18 37 11 ID oAtJvPj90 日本最大級の集団ストーカーが、18年前から続いています。 神奈川県から始まり、現在は、東北の地方都市で続いているらしい。 (略) ホーマック、サンデー、サンワドー、ユニバース、生協 ユニクロ、洋服の青山、デンコードー、しまむら、市内のほとんどです。 本当に、影・裏の、詐欺、横領の金で建てたというなら、 あまりにも大きな『動かぬ証拠』が、どんどん建ちました。 2 :ななしのいるせいかつ:2010/10/12(火) 18 35 34 マクドナルド、ロッテリア 松屋、すき屋 いなげや、サミット、ライフ、コモディイイダ ツタヤ、ブックオフ 東京地方裁判所、ハローワーク 14 :ななしのいるせいかつ:2010/10/15(金) 13 34 42 ハローワーク マクドナルド(絶対居る) ブックオフ 散髪屋 スーパー ツタヤ 病院 駅 電車の中 路上 デパート ダイソー スタバ セブンイレブン ファミリーマート ヅカ(歌劇団) 某パソコンで有名な企業内に居た(全員下請け会社から沢山来てた) 公営団地の近く 電気屋 ラーメン屋 ショッピングモール 観光地のホテル ユニクロ ドトール ネズミーランド ワタミ UFJの東京三菱だった支店 コムサでモード 白木屋 馬車道 うどん「杵屋」 80:ななしのいるせいかつ:2010/11/14(日) 22 22 43 ケンタッキー、オリジン弁当、歯医者etc. 84 :ななしのいるせいかつ:2010/11/25(木) 00 14 03 今の内に。 スタジオアリス、ニトリ 、青山、AOKI イオン、ジャスコ、イトーヨーカドー かっぱ寿司、くら寿司、すき家、松屋 マクドナルド、ロッテリア、ケンタッキー サミット、ライフ、いなげや、コモディイイダ セブンイレブン、ファミリーマート coco壱番屋、COCO'S、びっくりドンキー ドンキホーテ、Olympic、ツタヤ ヤマダ電機、ビックカメラ、ケーズ電気 東京三菱UFJ銀行、三井住友銀行 道路沿いやショッピングセンターみたいなところに これらの店が連なっている場合が多い 115 文責・名無しさん 2011/04/04(月) 08 56 03.11 ID c5Jxoiur0 層化がらみの店舗(公明党のポスターである程度は判別可能w) って激安店が多いから利用はするけど、おかしい店員率高しw こちらにピンポイントでへんな対応されると 「やっぱりなw」と思うよ まともな接客できないなら辞めちまえw 96:ななしのいるせいかつ:2010/12/22(水) 23 39 56 安い店の店員。安い給料で働かされてるから集ストでもしないと 食っていけないんだろうなwww最低なクズ店員!!最高に気分悪いぜ。 そういう店員雇ってる所は本社も集スト推奨してんのかね? 【※注:以下は工作の可能性もある投稿ですが、参考まで収録します。】 154 :おかいものさん:2011/07/24(日) 20 39 10.99 ドトール、エクセシオール、ニューヨーカーズカフェ、小田急、JR東海、市役所、浜松駅周辺の飲食店、マクドナルド、モスバーガー、町田駅周辺の飲食店、TBK美容院、R美容室、丸井、町田図書館、TAC、玉川大学、 . . . . . . . . .
https://w.atwiki.jp/yoshinoya24/pages/68.html
埼玉県-C 店舗一覧 35店(2019/8/24現在) 埼玉県その他地域 編集 ★●クリア・△予告有・-未達成・■参考記録(★はメイン) 埼玉県その他地域 - イオンモール羽生店埼玉県羽生市川崎2-281-3 3Fフードコート内 10 00~22 00 Pあり ※異価格 ※そば処 ※高難易度店※8月25日までで閉店予定 - 桶川北店埼玉県桶川市北2丁目1538-4 9 00~23 00 Pあり - 久喜店埼玉県久喜市久喜本785-1 5 00~3 00 Pあり ★ 125号線栗橋店埼玉県久喜市栗橋町東5-10-14 4 00~2 00 Pあり ※Dスルー有 - 川越栗橋線菖蒲町店埼玉県久喜市菖蒲町下栢間915-1 4 00~2 00 Pあり - 狭山台店埼玉県狭山市狭山台1-2-5 24時間 Pあり ※Dスルー有 ★ 4号線杉戸高野台店埼玉県幸手市上高野2070-1 4 00~2 00 Pあり ※Dスルー有 ★ 125号線行田桜町店埼玉県行田市桜町1-3756 24時間 Pあり - 17号線鴻巣店埼玉県鴻巣市宮地1-8-49 土5 00~3 00日5 00~23 00 Pあり ※Dスルー有 - !New!坂戸鎌倉店埼玉県 坂戸市 鎌倉町1丁目1 24時間 Pあり ※Dスルー有 - 三郷上彦名店埼玉県三郷市上彦名417-1 24時間 Pあり ※Dスルー有 - 三郷中央店埼玉県三郷市谷中5-45-6 土4 00~2 00日8 00~24 00 Pあり ※Dスルー有 - 17号線上尾店埼玉県上尾市久保77-1 24時間 Pあり - 上尾駅前店埼玉県上尾市谷津2-1-50-1 4 00~2 00 Pなし - 志木南口店埼玉県新座市東北2-38-1 24時間 Pなし - 254号線新座店埼玉県新座市野火止1-7-20 土5 00~3 00日5 00~23 00 Pあり ★ 17号線深谷店埼玉県深谷市国済寺荒楽503-3 土4 00~2 00日4 00~24 00 Pあり ★ 140号線花園インター店埼玉県深谷市小前田476-3 24時間 Pあり ※Dスルー有 - 草加新田店埼玉県草加市旭町1-4-36 24時間 Pあり - 草加駅東口店埼玉県草加市高砂2-17-22 土5 00~3 00日5 00~24 00 Pなし - 獨協大学前西口店埼玉県草加市松原1-1ハーモネスタワー松原B棟110 7 00~23 00 Pなし - 草加新栄店埼玉県草加市新栄1-57-10 24時間 Pあり ※Dスルー有 - 140号線秩父店埼玉県秩父市中宮地町4-24 24時間 Pあり - 外環和光北インター通り店埼玉県朝霞市大字台宇久田256-1 4 00~2 30 Pあり ※Dスルー有 - 朝霞台駅南口店埼玉県朝霞市東弁財1-4-17 24時間 Pなし - 407号線鶴ヶ島店埼玉県鶴ヶ島市脚折町5-16-1 24時間 Pあり - 東松山新郷店埼玉県東松山市新郷189-2 4 00~2 00 Pあり ※Dスルー有 - 16号線入間扇町屋店埼玉県入間市扇町屋5-4-18 24時間 Pあり ※Dスルー有 - 八潮店埼玉県八潮市上馬場476-1 24時間 Pあり ※Dスルー有 - 飯能駅前店埼玉県飯能市仲町11-21 24時間 Pなし - 鶴瀬駅前店埼玉県富士見市鶴瀬東1-11-16 24時間 Pなし - !New!17号線本庄若泉店埼玉県本庄市若泉1丁目9-10 24時間 Pあり ※Dスルー有 - 蓮田店埼玉県蓮田市西新宿1-7 24時間 Pあり - 和光笹目通り店埼玉県和光市丸山台3-10-6 4 00~2 00 Pあり - 蕨駅前店埼玉県蕨市塚越1-4-1 24時間 Pなし ※17号線本庄店は閉店しています。ご注意ください(2019) ※蓮田サービスエリア店は閉店しています。ご注意ください(2019)
https://w.atwiki.jp/kakuto1/pages/64.html
166 名前: なまえをいれてください [sage] 投稿日: 2005/04/06(水) 00 23 40 ID SJXO2Gnr えーと、いきなり購入報告で申し訳ありませんが 買ってきたぜーー!!虹色ドッジ。ここのスレ見て無性に欲しくなって 帰り際ブックオフに行ったら1850円で売ってたのだ即買い。 レビューは・・・上にいっぱい書いてあるのでそちらを参照してくださいw ほんとこりゃいいわwまさにくにお君のおもしろくなったバージョンw ただCPU弱すぎ。もっと俺と熱い投げ合いをさせてくれ。対戦者必須かな。 あとついでいん、コロコロポストニンっていうゲームを1000円で買いました。 SFCのキャメルトライっていう画面をうごかして弾をゴールまで運ぶやつの 女の子が新聞を配るバージョン。 これがけっこうおもしろい。ポストに触れないと新聞が配れないのし いろんなトラップがあってなかなか熱い。 単純に画面を動かして女の子を走らせるだけだけど、かなりハマルから おすすめ。
https://w.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/7997.html
サンデー毎日 12/30 関連ページ サンデー毎日 12/30 「日本の母は息子の性処理係」毎日新聞が捏造記事200 http //ikura.2ch.net/test/read.cgi/ms/1353575606/217-218 2ページ ジャパンライフグループ www.japanlife-net.co.jp/ 全面カラー 7ページ 日清医療食品 全面カラー 8ページ リーダーメディアテクノ株式会社 全面カラー 10ページ 資生堂 毎日新聞社 全面カラー 14ページ JT 全面カラー 22ページ 第一薬産株式会社 27ページ 日本財団 45ページ メガネドラッグ 46ページ 三井住友銀行 三井住友フィナンシャルグループ 全面PR 68ページ 毎日新聞社 全面PR 81ページ 共立女子大学 共立女子短期大学 84ページ 帝京平成大学 全面PR 87~89ページ サンデー毎日恒例新春お年玉プレゼント オノフ(ゴルフドライバー)、資生堂、キヤノン、ローランド(ギター)、 トヨタ自動車、ベアー・オブ・ジャーマニー株式会社 全面カラー 90ページ 東京国立博物館平成館 全面カラー 91ページ 毎日新聞社 94ページ 文教大学付属中学校付属高等学校 95ページ 小野学園女子中学・高等学校 2分の1 96ページ 学校法人片山学園片山学園中学校・高等学校 98ページ ジェイアイティー www.jit-net.com 全面PR 99ページ エドボンド www.ieyasu-home.com、OZON NEO bwz3009.d.dooo.jp 全面PR 100ページ 株式会社内外切抜通信社 全面PR 109ページ 毎日新聞社 全面PR 118ページ 毎日新聞社 全面PR 123ページ 毎日新聞社 125ページ 毎日新聞社 全面PR 137ページ 毎日新聞社 163ページ 毎日新聞社 全面カラー 164ページ 毎日新聞社 全面カラー 166ページ 大阪ステーションシティ 全面カラー 175ページ サンライズプロモーション東京 JAZZ WEEK TOKYO 2013 全面カラー 176ページ MSD株式会社 全面カラー JAPAN LIFE GROUP(ジャパンライフ株式会社) 東京都千代田区西神田2-8-5 http //www.japanlife-net.co.jp/ 日清医療食品株式会社 東京都千代田区丸の内2丁目7番3号 東京ビルディング20階 http //www.nifs.co.jp/ リーダーメディアテクノ株式会社 東京都台東区浅草橋5-1-31-3F http //www.lmt-inc.jp/ 三井住友フィナンシャルグループ 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 http //www.smfg.co.jp/ 共立女子大学・共立女子大学短期大学 東京都千代田区一ツ橋2-2-1 http //www.kyoritsu-wu.ac.jp/ 帝京平成大学 池袋キャンパス 東京都豊島区東池袋2-51-4 千葉キャンパス 千葉県市原市潤井戸2289 http //www.thu.ac.jp/ ONOFF http //onoff.globeride.co.jp/ グローブライド株式会社(ONOFF) 東京都東久留米市前沢3-14-16 http //www.globeride.co.jp/ ローランド株式会社 静岡県浜松市北区細江町中川2036-1 http //www.roland.co.jp/ ベアー・オブ・ジャーマニー株式会社 東京都港区南青山4-3-24 青山NKビル3F http //www.baer.co.jp/ 文教大学付属中学校・付属高等学校 東京都品川区旗の台3-2-17 http //www.bunkyo.ac.jp/faculty/ghsn/ 小野学園女子中学・高等学校 東京都品川区西大井1-6-13 http //onogakuen-jyoshi.jp/ ジェイアイティー株式会社 東京都新宿区四谷1-8-14 四谷一丁目ビル6階 http //www.jit-net.com/ 株式会社エドボンド 東京都新宿区西新宿1-12-11 山銀ビル7F http //www.ieyasu-home.com/ 株式会社OZON NEO 奈良市二条大路南3丁目1-30-2F-202 http //bwz3009.d.dooo.jp/ 株式会社内外切抜通信社 東京都新宿区大久保3-14-4 毎日新聞社早稲田別館内 http //www.naigaipc.co.jp/ 大阪ステーションシティ 大阪市北区梅田三丁目 http //osakastationcity.com/ サンライズプロモーション東京 東京都港区北青山2-7-26 フジビル28-6F http //sunrisetokyo.com/ メルク・アンド・カンパニー MSD(MSD株式会社) 東京都千代田区九段北一丁目13番12号 北の丸スクエア http //www.msd.co.jp/Pages/home.aspx 関連ページ 2012年7月- 12月 毎日新聞に広告を出していた企業
https://w.atwiki.jp/bookmarkking/pages/20.html
ソーシャルブックマーク自動登録の実行 ブックマークキングの機能「ブックマーク自動登録」の実行方法をご説明します。 ※ブックマーク自動登録の前に、基本設定、ソーシャルブックマークサイトアカウントの設定、ブックマークしたいサイトの設定を行っておきましょう。 実行ボタンをクリックすることで、ソーシャルブックマーク登録を開始します。 スケジュール詳細欄でブックマークサイト及びそのアカウントを選択し、ブックマークのスケジュールを設定することができます。 ブックマーク登録状況は「プロセス」で、結果は「ログ」でそれぞれ確認することができます。
https://w.atwiki.jp/dokuta/pages/35.html
飲食店編 買い物編 飲食店編 ■がっつり。 パンジャビ: 大学の西門より徒歩1分 本格的なカレーが食べれる。サービスも良い。 ルイ: 西門より徒歩1分 ボリュームだけなら他の追随を許さない とにかく多い いそ虎: グランド門より徒歩2分 ラーメンは微妙だが、チャーシュー丼がおいしい。 学生証提示で大盛に。 陣太鼓: 駅東口から徒歩3分 肉丼が500円。胃が持たれる。 他は知らない。 吉野家: 東武ストア近く。 モリタクが現れる。 安安: 駅東口から3分 焼肉屋。安い。 ■ファストフード ミスタードーナッツ 松原団地駅西口徒歩2分 買い物編 ■スーパー マルヤ: 大学の西門より徒歩5分 ベルクス: 大学のグランド門より徒歩3分 ■日用雑貨 しまちゅー: 大学の西門から4号線に向かい、南方面に進む。 そのまま直進500mぐらい? Oh!Kawa: 東武スカイツリーライン(伊勢崎線)を草加方面に向かうと見える。 ■書店 ブックオフ: 大学の近くで言うと新田店と草加店。 よむよむ: ベルクスの上
https://w.atwiki.jp/bookmarkking/pages/26.html
■ブックマークキングの口コミ・評判・不具合など Yahoo.comが取得できない場合 ブックマーク自動登録の口コミ 自動でアカウント取得できるブックマークサイト アカウント取得の所要時間について